少年とも少女ともつかない表紙の必死な目と、同人誌でメディア芸術祭で受賞という帯の情報に惹かれて手に取りました。
抑えた描写ながらかなり印象深いファンタジーです。
絵はざっくりとしていながら繊細で、杉本亜美氏に近いものを感じました。描写の渋さとかも。
戦争で(たぶん)放射能汚染された未来の日本が舞台。なにかから逃げて鳶として働くそっけない少女と、彼女を雇い見守る男。
50年に一度の天顕祭の謎、まとわりつく蛇の幻影、繰り返す愛しい男の夢、祭りのクシナダ姫に選ばれた娘のしるし、そしてヤマタノオロチの神話・・・
どろりとしてとらえどころのないあちら側の描写や、蛇や地下の穴蔵など、見事でした。
生活観のあるキャラの表情や体形、汚染された暮らしの苦しさや切なさやりきれなさもいい。
何でプロとしてあまり描いていないのか不思議ですが、同人誌で完全に自分の好きにかけたというのがいいのかもしれません。
構想10年だそうです。すごいな。
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